確定申告のワンポイントアドバイス⑥

所得税の計算方法(概要)
今回は、所得税の計算方法の概要について説明します。
■ 所得は10種類に区分されます
所得税の計算は、まず収入の性質によって所得を10種類に区分し、それぞれの所得金額を計算することから始まります。
【総合課税の対象となる所得】
①事業所得
②不動産所得
③~⑦その他の所得
これらは「総合課税」と呼ばれ、すべての所得を合計して税額を計算します。
【分離課税の対象となる所得】
⑧~⑩の所得
これらは「分離課税」と呼ばれ、それぞれの所得ごとに税額を計算します。
■ 事業所得・不動産所得の計算
①事業所得、②不動産所得は、
収入 − 必要経費 = 所得金額
で計算します。
ここでいう収入とは、売上や家賃収入などを指します。
多くの方が悩むのが、「どこまでが必要経費になるのか」という点です。
まずは、支出が
- 事業用(仕事のため)なのか
- 家事消費(生活費)なのか
を区分することが出発点です。
申告納税制度では、何を経費とするかは、納税者自身が判断します。
税務調査があった場合にも「経費である」と主張できる支出であるかどうかが一つの基準になります。
■ その他の所得の計算
⑤給与所得や、⑥雑所得(公的年金など)は、定められた控除額を差し引いて所得金額を求めます。
その他の所得も、法定の計算方法に基づき、
- 「総合課税」の総所得金額
- 「分離課税」の各所得金額
を算出します。
■ 所得控除と課税所得
所得金額を合計した後、次のような所得控除を差し引きます。
- 基礎控除
- 配偶者控除
- 扶養控除
- 特定親族特別控除(新設)
- 寄付金控除 など
所得控除を差し引いた金額が「課税所得金額」となり、そこに税率をかけて所得税額を計算します。
今年は、合計所得金額に応じて基礎控除額が異なる点や、「特定親族特別控除」が新設された点に注意が必要です(詳しくは第9回で解説します)。
■ 税率の仕組み
所得税は累進課税方式です。
【総合課税】
税率は5%~45%
所得が多いほど税率が上がります。
【分離課税】
所得の金額に関係なく税率が一定です。
(例:株式の売却益は15%など)
これを比例税率といいます。
■ 最終的な税額の決定
最後に、
- 総合課税の税額
- 分離課税の税額
を合計し、住宅借入金等特別控除などの税額控除を差し引き、最終的な納付税額または還付税額が決まります。
■ 住民税・国保料にも影響します
確定申告書の内容は、住民税や国民健康保険料(税)にも影響します。
特に今年は、所得税と住民税で変更点が異なります。
所得税が発生しない場合でも、経費計上漏れがあると、住民税や国保料で思わぬ負担が生じることがあります。
仲間と相談しながら、慎重に計算を進めましょう。
(全国商工新聞2026年1月12日付より)