確定申告のワンポイントアドバイス④

白色申告と青色申告
事業を営んでいる方の確定申告には、
**「白色申告」と「青色申告」**の二つの方法があります。
■ 原則は「白色申告」
白色申告が、所得税法上の原則的な申告方法です。
青色申告を行うためには、税務署長へ届出を行い、承認を受ける必要があります。
青色申告は「できる」という規定になっていることからも、原則は白色申告であることが分かります。
なお、青色申告は「できる」規定であるため、取り下げの届出をしなくても、白色申告で申告することが可能です。
■ 青色申告の推進とその背景
国税当局や会計ソフト会社は、「記帳水準の向上」を理由に青色申告を推進しています。
青色申告には、
- 青色専従者給与(家族従業者への給与が届出額の範囲で経費算入可能)
- 青色申告特別控除
といった特典があります。
しかし、これらの“特典”を入口として、帳簿整備を前提とした調査を行いやすくする側面があることも指摘されています。
■ 記帳義務と青色申告
青色申告を行う場合は、特典を受けるために一定水準の帳簿を作成・保存する必要があります。
ただし、記帳の方法は事業内容や業種によって多様であり、それぞれの実態に応じた会計慣行は尊重されます。
「記帳が不十分」という理由で青色申告の承認が取り消されるケースは、近年ほとんど見当たりません。
■ 白色申告と自己決定権
白色申告では、帳簿がないこと自体に対する罰則は設けられておらず、「努力義務」とされています。
この考え方は、憲法13条の
「すべて国民は、個人として尊重される」
という自己決定権の精神に沿うものです。
国民全体を対象とする所得税制度には、憲法の精神が根付いています。
■ 納税者の権利を理解することが重要
税務署員の中には、青色申告で申告書を提出しないことに疑問を持つ場合もありますが、
白色申告を選択することに法的な問題は一切ありません。
納税者は、自らの判断で申告方法を選択することができます。
所得税法の原則をしっかり理解し、
納税者としての自己決定権を発揮しながら、確定申告に臨みましょう。
(全国商工新聞2025年12月15日付より)