確定申告のワンポイントアドバイス⑩

目次

税額控除(寄付金控除など)

(第3686号/2026年2月9日付)

所得控除は大きな変更がありましたが、**税額控除(確定申告書第一表の右側)**については、昨年限定で実施された定額控除がなくなったこと以外、大きな変更はありません。

しかし、税額控除は税額そのものを直接減らす制度です。利用できるものがあれば、忘れずに活用しましょう。

今回は、

  • 寄付金控除
  • 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)

について解説します。


■ 寄付金控除

寄付金控除は、一定の団体に寄付をした場合に税金が軽減される制度です。

よく知られているものに、ふるさと納税があります。

ふるさと納税では、

  • 返礼品は寄付額の 30%以内
  • 地場産品であること

などのルールが設けられています。

「ふるさと納税はいくらまでできるのか」という質問も多くありますが、正確な限度額は住民税額によって決まるため、簡単に算出することはできません。

目安としては、各ふるさと納税サイトにあるシミュレーションを利用するとよいでしょう。


■ 寄付金控除の対象となる団体

ふるさと納税以外にも、次のような団体への寄付は控除対象となる場合があります。

  • 政党・政治資金団体
  • 公益財団法人・公益社団法人
  • 認定NPO法人

寄付金控除の対象となるかどうかは、寄付先団体の資料などで確認するようにしましょう。


■ 寄付金控除の2つの方法

寄付金控除には、次の2つの方式があります。

① 所得控除方式
所得から控除する方法

② 税額控除方式
税額から直接控除する方法

両方選択できる場合は、より有利になる方法を選ぶことができます。

ただし、寄付した金額すべてが税金から差し引かれるわけではありません。
それぞれに控除限度額がありますので注意が必要です。


■ 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)

住宅ローン控除は、住宅取得を促進するために導入された制度で、現在も毎年のように制度改定が行われています。

主な適用要件は次の通りです。

① 住宅の床面積が 50㎡以上
(所得1,000万円以下の場合は 40㎡以上の特例あり

② 床面積の 2分の1以上が自己居住用

③ 中古住宅の場合
取得までの築年数が

  • 20年以内(木造など)
  • 25年以内(マンションなど)

民間金融機関で10年以上の住宅ローンを利用していること


■ 「調書方式」の導入

今回の大きな変更点として、これまでの

証明書方式

に加えて、

調書方式

が併用されることになりました。

調書方式に対応している金融機関から借入をしている場合、

  • 残高証明書が発行されない
  • 初年度は マイナポータルを利用しなければ情報が取得できない

という仕組みになっています。

金融機関によっては、マイナンバーカードがないと住宅ローン控除の手続きができない場合もあり、制度の公平性という点で課題があります。


■ 住み替え時の注意

住宅を住み替えた場合、転居前の住宅を売却すると

譲渡所得の特別控除(いわゆる3,000万円控除)

を利用できることがあります。

ただし、

住宅ローン控除との併用はできません。

住み替えを行った場合は、どちらを適用する方が有利か、十分に検討することが重要です。


※全国商工新聞(第3686号/2026年2月9日付)をもとに作成

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