確定申告のワンポイントアドバイス⑧

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所得控除① 改正点

(第3684号/2026年1月26日付)

今週と来週の2回にわたり、所得控除について説明します。

2024年の総選挙で自民党が少数与党となって以来、税制「改正」が大きく報道されるようになりました。いわゆる「年収の壁」の見直しにより、所得税が減税となる方もいますが、喜ぶだけでなく注意も必要です。

今回は、2025年度の税制改正で変更された

  • 基礎控除
  • 給与所得控除
  • 特定親族特別控除

について解説します。


■ 給与所得控除の改正

まず、給与所得控除です。

給与所得者のうち 年収190万円以下の人に限り、給与所得控除額が

65万円(改正前55万円)

となりました。

これは、給与所得者かつ年収190万円以下の人に限定された減税となります。


■ 基礎控除の改正

次に基礎控除です。

合計所得金額 2350万円以下の納税者については

58万円(改正前48万円)

となりました。

さらに、今回の確定申告では

  • 合計所得金額132万円以下 → 95万円
  • 132万円超655万円以下 → 所得金額に応じて
     88万円 / 68万円 / 63万円

へと基礎控除が増額されています。

そのため、確定申告書に基礎控除を記入する際には、
事業所得などの計算を終えて合計所得金額を算出しなければ記入できません。


■ 「103万円の壁」の変更

給与所得控除が65万円、基礎控除が最大95万円となったため、
いわゆる

「103万円の壁」

(所得税がかからない収入額)は

160万円

へと引き上げられました。


■ 扶養控除の要件

ただし、扶養控除の判定は

合計所得金額58万円以下

であることが要件です。

そのため、

配偶者と特定親族以外の扶養家族の場合は
給与収入であれば

年123万円以下
(基礎控除58万円+給与所得控除65万円)

であれば扶養控除が受けられます。


■ 特定親族特別控除の創設

次に、特定親族特別控除についてです。

これまで

19歳以上23歳未満の特定親族
給与年収 103万円を超えると所得控除が受けられませんでした。

しかし2025年度の改正により、

給与年収150万円以下であれば
特定親族特別控除63万円

が受けられるようになりました。

また、150万円を超えた場合でも、
配偶者特別控除と同様に

控除額が段階的に減少する仕組みとなりました。


■ 人的控除の意味

配偶者控除や扶養控除などの人的控除は、
憲法25条(生存権)に基づく

「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」

を保障する制度です。

しかし、今回の税制改正では、これらの控除額の増額は行われませんでした。


■ 配偶者の定義

所得税法上でいう配偶者とは、
民法上の配偶者に限られています。

社会の変化を踏まえ、制度の柔軟な対応が求められています。


■ 住民税の注意点

今回の改正は所得税のみであり、
住民税では基礎控除の増額が行われていません。

そのため、

給与収入の場合

108万円(自治体によって異なる)

を超えると住民税が課税されますので注意が必要です。


※全国商工新聞(第3684号/2026年1月26日付)をもとに作成

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